格安SIMにすると本当に後悔しますか?

後悔する人は、実はパターンが決まっています。店頭で相談を受けてきた経験から言うと、ほぼ5つのどれかです。逆に、この5つを事前に知っていた方からの「失敗した」という声は、ほとんど聞きません。
「スマホ代、また9,000円超えてる…」
給料日前に明細を見て、ため息をついたことはありませんか?格安SIMにすれば安くなるのは知ってる。でも「遅い」「後悔した」という声も聞くから踏み切れない——。
私はスマホ販売員として、毎月たくさんの乗り換え相談を受けています。その中には「格安SIMにして失敗した」という相談も、正直あります。ただ、失敗談を並べてみると後悔する人のパターンは驚くほど決まっています。
この記事ではそのパターンを5つに整理して、「自分は大丈夫か」を乗り換え前に判断できるようにしました。すでに乗り換えて「しまった…」と感じている方も、途中に解約せずに挽回する方法をまとめているので、そこから読んでください。
先にスマホ代全体の見直しから始めたい場合は、こちらの記事も参考になります。
→ スマホ代を安くするには何から見直す?

格安SIMで後悔した人の共通点5つ
① お昼と夕方の速度低下を知らなかった
後悔の声で圧倒的に多いのがこれです。
「昼休みにインスタのストーリーが読み込まれない。隣の同期はサクサク見てるのに」——店頭で実際に聞いた言葉です。
格安SIM(MVNO)は、大手キャリアから回線を”借りて”サービスを提供しています。イメージは、大きな水道管から細い管を分けてもらっている状態。普段は問題なくても、みんなが一斉に使う平日12時台と18〜19時台は、細い管に利用が集中して流れが悪くなります。
体感レベルで言うと、こうです。
- LINEのやりとり、QRコード決済 → 比較的支障が出にくいことが多い
- Webサイト閲覧、SNSのテキスト → 少し待つことがある
- 動画、インスタのストーリー、アプリのダウンロード → 昼休みは厳しいことが多い
「昼休みは職場のWi-Fiがある」「昼にスマホをあまり触らない」人には影響は小さめです。逆に、通勤・外回り・休憩中の動画視聴が日課の人は、ここが最大のチェックポイントです。
なお、大手キャリアが自前の回線で提供するオンライン専用プラン(ahamo・povo・LINEMO)やサブブランド(UQモバイル・ワイモバイル)は仕組みが違うため、この問題が起きにくいとされています。後半の挽回パートで詳しく触れます。
② キャリアメールが使えなくなって困った
「@docomo.ne.jp」などのキャリアメールは、乗り換えると原則使えなくなります。
……というのは有名なのですが、店頭で実際に困る人が多いのは、その先です。
銀行・証券・クレジットカード・各種会員登録のメールアドレスが、キャリアメールのままになっていること。
乗り換え後に「ログインの確認コードが届かない!」となって、変更手続きに追われるケースが本当に多いです。
対策は2つ。
- 乗り換え前に、キャリアメールで登録しているサービスをリストアップして、Gmailなどのフリーメールに変更しておく
- どうしても残したい場合は「メール持ち運びサービス」(月330円程度、キャリアにより条件が異なる)を使う
おすすめは1です。この機会にフリーメールへ一本化しておけば、今後何回乗り換えても困りません。
③ 店舗サポートがなくて手続きで詰んだ
ここは正直に書きます。
格安SIMの多くは、申し込みも初期設定もトラブル対応も、基本的に自分でやる前提です。困ったときの窓口はチャットか電話。店舗に駆け込む選択肢がありません。
初期設定が苦手でも乗り換えできますか?

SIMの差し替えとAPN設定(ネットに繋ぐための初期設定)は、説明書どおりにやれば10分程度です。eSIMならカードの差し替え自体が不要です。ただ、「設定」アプリをほとんど開いたことがない方には、正直ハードルがあります。その場合は店舗のあるUQモバイル・ワイモバイルを選ぶのが安全です。
店頭で見てきた経験から、次に当てはまる方は慎重になったほうがいいです。
- 「設定」アプリをほとんど開いたことがない
- パスワードの管理が苦手(IDを忘れてログインできない、が起きがち)
- 何かあったとき、相談できる家族が近くにいない
特に、離れて暮らす親御さんに格安SIMを持たせるケースは要注意です。安くしてあげたい気持ちはよく分かりますが、トラブルのたびに電話越しでサポートするのは想像以上に大変です。この場合は、店舗を持つサブブランドを選ぶと、料金と安心のバランスが取れます。
④ 通話料が逆に高くなった
意外な落とし穴です。
格安SIMの基本料金は安いのですが、通話料は「30秒あたり22円程度」が一般的です(事業者により異なります)。大手のかけ放題に慣れていた人が同じ感覚で電話すると、月の合計が乗り換え前より高くなることがあります。
仮にこの単価で月1時間通話すると、それだけで2,000円台後半になります。基本料金と合わせると「あれ、前と変わらない…?」となるわけです。
対策はシンプルで、乗り換え前に自分の月の通話時間を確認すること。今のキャリアのマイページで確認できます。
- 通話が月30分以内 → そのままでOK、または「5分かけ放題」オプション
- 月1時間以上話す → 「完全かけ放題」オプション込みで総額比較
仕事で電話が多い人ほど、ここの確認が効きます。
⑤ 解約・乗り換えのタイミングを間違えた
「違約金1万円取られた」という後悔は、今はほぼ聞かなくなりました。解約金がかからないプランが主流です(条件はプランにより異なるため要確認)。
今どきの「タイミング失敗」は、主にこの2つです。
- 端末の分割払い(残債)が残っていた:乗り換え自体はできますが、支払いは続きます。「安くなったはずなのに請求が減らない」と感じる原因の代表格です
- 解約月の料金が日割りにならないキャリアで、月初に乗り換えた:1ヶ月分まるまる支払うことに
どちらも致命傷ではありませんが、事前に確認すれば防げる出費です。乗り換えは月の後半、残債を確認してからが基本です。
もう乗り換えて後悔している人へ|解約せずに挽回する3つの方法
ここからは、「すでに格安SIMにして、正直ちょっと後悔している」という方向けです。
先に言っておくと、焦って大手に戻る必要はありません。今は乗り換えの縛りがほぼ無い時代なので、打てる手が3つあります。
方法1:まず無料でできる工夫を試す
不満が「昼の速度」だけなら、使い方の工夫でしのげる場合があります。
- 動画やポッドキャストは、自宅Wi-Fiで事前にダウンロードしておく
- 昼休みの重い作業(アプリ更新など)は、Wi-Fiのある場所か夜に回す
- 職場や店のフリーWi-Fiを昼だけ使う
ただし正直に言うと、「昼もリアルタイムでSNS動画を見たい」なら、工夫では限界があります。回線の構造上の問題なので、根本解決は次の方法2です。
方法2:サブブランド・オンライン専用プランに乗り換える
「格安の料金のまま、昼の速度だけ解決したい」——この悩みには、実はドンピシャの選択肢があります。
サブブランド(UQモバイル・ワイモバイル)や、オンライン専用プラン(ahamo・povo・LINEMO)です。
これらは大手が自前の回線で提供しているため、①で説明した「借りた細い管」問題が起きにくい仕組みです。速度低下に悩まされにくく、料金もMVNOに近い水準です(公式サイトで確認を)。
「格安SIMで後悔した」という相談を店頭で受けたとき、私が一番よく案内するのがこのルートです。
しかも今は、最低利用期間や解約金を設けない事業者が主流です(契約前に各社の条件を確認してください)。一度の乗り換えで失敗しても、もう一度やり直せる。「格安SIM選びは、失敗しても取り返しがつく」時代です。
方法3:大手に戻る。それも全然アリです
意外に思われるかもしれませんが、販売員としてはっきり言います。大手に戻るのが正解の人もいます。
- 月の通話が長く、仕事の電話も多い
- 昼休みの動画・SNSが毎日の楽しみ
- 何かあったら店舗で相談したい
- 家族割・光回線セット割で、実は大手でも十分安くなる
これらに複数当てはまるなら、あなたの使い方には大手が合っています。「格安SIMで後悔した」のは、あなたが悪いのではなく、単に使い方とプランが噛み合わなかっただけです。戻ることは失敗ではありません。
後悔しない人の共通点|向いているのはこんな人
逆に、次のチェックリストに多く当てはまる人は、格安SIMにしても後悔しにくいタイプです。
- 自宅にWi-Fiがある
- 昼休みは職場のWi-Fiが使える、またはスマホをあまり触らない
- 通話は月30分以内(LINE通話がメイン)
- スマホの初期設定を、説明を見ながら自分でできる
- キャリアメールをほぼ使っていない
4つ以上当てはまるなら、格安SIM向きです。 使い方によっては月数千円、年間で数万円の差になることもあります。
後悔せず乗り換える4ステップ
STEP1:今の契約状況を確認する
マイページで「端末の残債」と「解約月の日割り有無」を確認します。残債が残っていても乗り換えは可能ですが、支払い総額を把握しておきましょう。
STEP2:使用ギガ数と通話時間を確認する
直近3ヶ月の「データ使用量」と「通話時間」をマイページで確認。プラン選びの精度がここで決まります。店頭でも「20ギガプランなのに実際は3ギガしか使っていない」という方が本当に多いです。
STEP3:自分に合う格安SIMを選ぶ
ここまでの5つの後悔パターンを踏まえると、選び方はシンプルです。

| あなたのタイプ | 向いている選択肢 |
|---|---|
| とにかく安く。昼の速度は割り切れる | MVNO系(IIJmio、mineoなど) |
| ①昼の速度低下が不安 | オンライン専用プラン(ahamoなど)、サブブランド |
| ③店舗サポートが欲しい | UQモバイル、ワイモバイル(全国に店舗あり) |
| ④通話が多い | かけ放題込みで総額比較(楽天モバイルのRakuten Link利用時の通話条件も候補) |
| データ使用量が月によって大きく変わる | 楽天モバイル(段階制) |
楽天モバイルの向き不向きを詳しく知りたい場合はこちら。
→ 楽天モバイルはやめたほうがいい?販売員が正直に答える向き不向き
格安SIM全体を使い方別に比較したい場合はこちら。
→ 格安SIMのおすすめはどう選ぶ?
STEP4:MNPで申し込む(電話番号はそのまま)
今は「MNPワンストップ」対応の事業者同士なら、予約番号の取得すら不要。乗り換え先で申し込むだけで、電話番号そのままで移れます。本人確認も運転免許証やマイナンバーカードでオンライン完結が主流です。SIMが届いたら回線切り替えとAPN設定をして完了。スムーズに進めば30分程度で終わることもあります。
申し込み前チェックリスト
ここまでのポイントを、申し込み前の最終確認用に一覧にしました。
| 確認項目 | 確認すること |
|---|---|
| 速度 | 昼・夕方の速度低下を許容できる使い方か(①) |
| メール | キャリアメール登録先のリストアップと変更を済ませたか(②) |
| サポート | 店舗サポートが必要か、オンラインだけで大丈夫か(③) |
| 通話 | 月の通話時間を確認し、かけ放題の要否を判断したか(④) |
| タイミング | 端末残債と解約月の日割り有無を確認したか(⑤) |
| 端末 | 乗り換え先の対応端末一覧に自分の端末が載っているか |
| データ使用量 | 直近3ヶ月の使用量を把握しているか |
| 料金 | 割引終了後の通常月額とキャンペーン条件を確認したか |
迷ったら関連記事で詳しく確認する
- 格安SIMのおすすめはどう選ぶ?:使い方別に候補を比較したい人向け
- 格安SIMをサブ回線に使うなら?:サブ回線やデュアルSIMを検討している人向け
- IIJmioとmineoの比較:小〜中容量の格安SIMで迷っている人向け
- povoの料金プラン:トッピング制の詳細を知りたい人向け
- 楽天モバイルの料金プラン:段階制プランの詳細を知りたい人向け
よくある質問
格安SIMにすると電話番号は変わりますか?
MNP(番号ポータビリティ)を使えば、今の電話番号をそのまま引き継げます。MNPワンストップ対応のサービスなら、乗り換え元への連絡なしで手続きできます。
格安SIMにすると電波が悪くなりますか?
電波(繋がるエリア)は大手と同じです。借りている回線がドコモならドコモと同じエリアで繋がります。変わるのは混雑時間帯の「速度」だけです(詳しくは①へ)。
格安SIMとオンライン専用プランは何が違いますか?
格安SIM(MVNO)は大手の回線を借りて提供するサービスで、混雑時間帯に速度が落ちやすい特徴があります。ahamo・povo・LINEMOなどのオンライン専用プランは大手が自前の回線で提供しているため、速度低下が起きにくいとされています。そのぶんMVNOより料金はやや高めの傾向です。
今のiPhoneはそのまま使えますか?
2021年10月以降に発売された端末はSIMロックが原則禁止されているため、ほぼそのまま使えます。古い端末でも、マイページから無料でSIMロック解除できます。
一度格安SIMにして合わなかったら、すぐ乗り換え直せますか?
できます。MNPに回数制限はありません。「短期で乗り換えるとブラックリストに載る」という噂がありますが、キャンペーン目当ての極端な短期解約を繰り返さない限り、通常の乗り換えで問題になることはまずありません。
乗り換えにかかる費用は?
事務手数料3,300円程度が一般的です。キャンペーンで無料になることも多くあります。解約金は原則かかりません。
家族全員で乗り換えるべき?
家族割の恩恵が大きい場合は、全員分の総額で比較するのがおすすめです。まず1人だけ乗り換えて様子を見る「お試し」も有効です。
まとめ|後悔の原因は「知らなかった」だけ
格安SIMで後悔する人のパターンは、この5つでした。
- 昼と夕方の速度低下を知らなかった
- キャリアメール周りの手続きを見落とした
- 店舗サポートなしで詰んだ
- 通話料が逆に高くなった
- 乗り換えタイミングで無駄な出費
どれも「知らなかった」ことが原因で、事前に知っていれば避けられるものばかりです。そして、万が一失敗しても、今は何度でもやり直せます。すでに後悔している方は、挽回する3つの方法から自分に合うルートを選んでください。
スマホ代は、一度見直せば毎月ずっと効いてくる固定費です。年間で数万円の差になることを考えると、悩んでいる時間がもったいない。この記事がその一歩の後押しになれば嬉しいです。


コメント